ボツリヌス療法との出会い
仕事柄、医療関係の研修に出ることが多いのですが、東京の山王リハビリクリニックの方から、慶応大学で行っているHANDS療法というものがあるという講演を聞きました。また、それにはPASSシステムという器械を使うとのこと。さっそく製造元のOG技研に電話し、福岡県内の納入先を聞きました。(取引先ですし、会社名を出せば教えてくれます。)当時福岡の納入先は2件で、近い方が車で15分。早速病院に電話しましたが受付の人は訳が分かって おらず、とりあえず脳外科を受診するように言われました。さっそく紹介状を書いてもらい、CTおよびMRIの画像を引っ提げて脳外科の診察に。脳外科の先生曰く、担当は脳外科ではなく脳神経内科のI先生。当日、院内におられたのですぐに来てくれました。希望を伝えると、私の手の状態と画像を見てから、器械を使ってみますか?ということでリハビリ室へ。そこで、当院ではHANDS療法とは違い、ボトックスという注射と器械を併せて使うとのことで説明を受けました。ただ、翌月から承認予定で国内の症例もない。治療開始には2週間の入院が必要ということで、仕事の都合をつけてから入院することになりました。なんと・・・ I先生はこの年に赴任され、ボトックスの承認、もちろん私のタイミングもこの年。運命の出会いです。
手指痙縮に対する様々なリハビリ
本ホームページでは、私が受けているボツリヌス療法のために行う自宅リハビリメニューについてご紹介しますが、主治医がこのリハビリを選択された理由もいろいろとあります。
ここでは、私が見聞きしたりホームページ等で得た知識のみではありますが、手の痙縮に対するいくつかのリハビリ手法をご紹介します。ただし、それぞれの患者にとって最善の選択は異なると思いますので、あくまでも私のケースとしてご覧ください。医療者の方が見て間違いがあれば、掲示板でご指摘いただけると幸いです。
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ボツリヌス&IVES療法
現在、私が受けている治療で、このホームページで取り上げる治療法です。当初使用していたPASSシステムに代わり、2013年にIVESが発売されました。また、私が治療を始めた2010年にはボトックスの実施施設も少なかったですが、今は多くの施設でこの治療法が行われています。
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HANDS療法
慶応大学の藤原先生が考えられた治療法です。「ボツリヌス療法との出会い」にも書いたように、この治療を始めるきっかけとなった治療です。
病院、主治医の先生は慶応大学の関係ではないので、この治療法は選択されていません。 -
rTMS(反復経頭蓋磁気刺激療法)
脳に電流を流し、脳の活性化を図る治療法です。私の場合はチタン人工骨が埋め込まれており、またテンカンもあるため適応外とのことでした。
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川平法
鹿児島大学の川平先生が考えられた、手技を中心としたリハビリ手法です。回復期に入院していた病院で実施して頂きましたが、私にはあまり効果が見られませんでした。
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CI療法
古くから実績をあげている手法で、健側を拘束して無理やり麻痺側を動かし、「利き手交換」などをします。主治医曰く、古い手法だとのことです。医療は進歩しなければいけません。